Google広告のクロスメディアリーチとは?

by 佐々木 涼太
2024年6月24日、Google広告より測定ツールであるクロスメディア リーチ測定を使って、
動画キャンペーン全体で重複を除去したオンターゲット リーチとフリークエンシーを測定できるようになったと発表されました。

これにより複数の動画キャンペーンの数値を包括的に把握できるようになったため、より詳細な比較が可能になっています。
これまでクライアントへの報告に悩まされていた広告運用者は確認することをおすすめします。


それではどのような内容なのか、詳細を確認しましょう♪

1.概要

クロスメディア リーチでは、YouTube での動画リーチ キャンペーンと動画視聴キャンペーンのリーチの効率性をテレビと比較して確認したり、
両方のチャネルで確認したりすることができるため、ブランド キャンペーンを包括的に把握することが可能です。

キャンペーン タイプ、ターゲティング、クリエイティブ、フォーマット、インプレッション単価や広告視聴単価の設定など、
さまざまな要因によって、同時に多数のキャンペーンが実施されることがあります。
クロスメディア リーチでは、それらのキャンペーン全体の重複が除去されたリーチとフリークエンシーが集計されることから、
特定のユーザー属性のオンターゲット リーチ全体が把握可能です。
そのため広告主様は、動画キャンペーンのプランニングを策定して広告投資を最適化するために必要な分析情報を入手できます。

ユニークリーチでは、広告が表示されたユーザーの総数を測定します。
この指標では、さまざまなデバイス、フォーマット、サイト、アプリ、ネットワークを介してお客様の広告を目にするユーザーの数を把握できます。
広告を見たユニーク ユーザー数を算出できるようになっています。
YouTube キャンペーンのリーチと効率の増分を測定することで、ターゲットオーディエンスのリーチとフリークエンシー、効率性など、
さまざまなデータポイントを地上波TVと比較しながら確認して、キャンペーンのパフォーマンスを把握できます。

2.クロスメディア リーチを使って生成できるレポート

クロスメディア リーチを使って、YouTube の動画リーチ キャンペーンと動画視聴キャンペーンに関する以下のレポートを生成できます。

①デジタル動画のみ - すべての国で利用可能
Google 広告に含まれる動画キャンペーンのリーチとフリークエンシーに関する指標を測定します

②デジタル動画のみ + 従来のテレビ - 一部の国でのみ利用可能
ライセンスを受けたサードパーティのデータソースからの対応するテレビの指標を組み合わせ、Google 広告に含まれる動画キャンペーンのリーチとフリークエンシーを測定します
(引用元:クロスメディア レポートページについて

3.クロスメディアリーチの使用方法

Google 広告でクロスメディア リーチを使用するには、
「測定」 メニュー(「目標」 の下)に移動して 【クロスメディア リーチ】 を見つけ、以下の操作を行います。

1.国を選択します。リーチは選択した国勢調査人口に対する割合としてレポートされます

2.完了済みまたは現在進行中の動画キャンペーンを選択します。
 動画キャンペーンは効率的なリーチを重視して最適化されているため、入札方法を「目標インプレッション単価」に絞り込みます。

3.レポートを実行し、週単位、月単位、または最大 92 日間までの任意の単位で、オンターゲット リーチのさまざまな年齢と性別のグループに合わせて調整します。

※クロスメディア リーチに最も適しているのは、バンパー広告、15 秒以下のスキップ可能またはスキップ不可のインストリーム広告
 (ショート動画とインフィード広告の有無を問わない)などのフォーマットを通じて効率的なリーチを最大化するように設計された動画リーチ キャンペーン(CPM)です。

4.クロスメディアリーチでレポートされる指標

クロスメディア リーチでは主に、リーチされたユニーク ユーザーの数とリーチの頻度を測定します
クロスメディアリーチでレポートされる指標は次のとおりです。
A.リーチしたユニーク ユーザー数
  a.選択したユーザー属性(18~49 歳の成人など)のオンターゲット リーチ
  b.有効フリークエンシー(例: 少なくとも 1 回以上、2 回以上、3 回以上、...、N 回以上リーチしたユーザー)に応じた効果的なリーチ
  c.「デジタル動画 + 従来のテレビ」レポートにおける、増分リーチおよび重複リーチと従来のテレビへのリーチの比較
  d.デジタル動画 + 従来のテレビへの合計リーチ

B.ユニーク ユーザーにリーチした頻度
  a.平均フリークエンシー
  b.ユーザー属性別の平均フリークエンシー
C.インプレッション数とターゲット視聴率(TRP)
 a.インプレッション数(共視聴を含む)
 b.TRP

D.費用と効率性
 a.合計費用
 b.オンターゲット リーチあたりの費用
 c.TRP あたりの費用

5.クロスメディアリーチを使用するメリット

クロスメディア リーチを使用するメリットは以下の4点があげられます
〇動画キャンペーンのリーチとフリークエンシーのデータを取得して、次を行えます。
 ・キャンペーン期間中、キャンペーン目標に向けての進捗状況を監視します。
 ・キャンペーン終了後キャンペーンの成果を評価します。

〇キャンペーン間で重複したリーチを削除します。
 Google 広告では、ターゲティング、クリエイティブ、オークション、インプレッション単価、広告フォーマットを指定して個々の動画キャンペーンを定義しますが、
 クロスメディア リーチでは複数のキャンペーンを集計して、重複を排除した合計リーチが提供されます。

〇最も関連性の高い年齢層や性別のオンターゲット リーチを評価します。
 たとえば、ユーザー属性(コネクテッド テレビで共視聴したリビングルームでリーチされたユーザーなど)です。

〇対応する従来の地上波テレビ キャンペーンと比較し、増分リーチを推定します。
 この予測は、選択された国で利用可能な、ライセンス取得済みの第三者提供テレビデータに基づいて行われます。
 これにより、Google 広告のデジタルリーチとフリークエンシーのパフォーマンスに関する追加のコンテキストを把握できます。
(引用元:クロスメディアリーチ測定について

6.実際に使用してみた所感

クロスメディアリーチを使用することにより、複数キャンペーンまたは媒体のユニークリーチ数・フリークエンシーを把握することやユニークリーチの到達度合いも算出することが可能になりました。
これまでは各媒体トータルでのリーチの到達状況が見えづらいという課題がありましたが、
このツールを使用することにより、どの媒体にいくら予算を投下すると最も効率が良いのか、など広告出稿の最適化をかけやすくなったと感じました。

また、このツールに併せてリーチプランナーを使用することをおすすめします。
リーチプランナーとは、YouTubeなど動画広告キャンペーンのリーチ、視聴回数、コンバージョンを予測するためのシミュレーションツールです。
リーチプランナーを使用することにより、テレビ広告に加えてYouTube広告を配信した場合のリーチの増分やユニークリーチ数の算出が可能になります。
あくまでもシミュレーション値ではありますが、予算配分の立案をする上で重要な指標になり得ますので、出稿金額の分配を考える上で使用してみてはいかがでしょうか。

まとめ

今回はYouTube広告の新たな測定ツールをご紹介いたしました。
リーチやフリークエンシーの重複を除外できる機能は、認知獲得の施策で有効活用できるのではないかと思います。
最適な広告戦略のために一度こちらのツールを使用してみてください。

この記事を書いた人

佐々木 涼太

埼玉県川口市出身。都内の大学を卒業後、新卒でShiftに入社。現在は代理店案件を中心にコンサルティングを担当。