(後編)Yahoo!スポンサードサーチでも成果を上げる、最適化との向き合い方
どうすればYahoo!スポンサードサーチで成果を出せるのか。
実は、機械学習に必要なデータを効率的に蓄積し、自動入札を導入することで成果を出すことができます。
今回の後編では自動入札の導入の進め方とその後のメンテナンスについてまとめました。
Yahoo!スポンサードサーチの自動入札において、意識すべき点がありましたので、そちらもご紹介したいと思います。
自動入札の導入準備
機械学習が進みやすいアカウント構成ができたら、次に自動入札の導入準備を進めます。
データの蓄積
まずは掲載データを蓄積させましょう。
掲載結果のデータ、CVデータの量が必要です。まず再構成後の約30日間は、手動入札で運用します。
コンバージョン数が少ない場合は、マイクロコンバージョンの設計を検討しましょう。
ちなみに媒体の仕様として、「コンバージョン単価の目標値」および「広告費用対効果の目標値」の設定条件は、コンバージョン数が過去30日間に15件以上(30件以上を推奨)とありますが、個人的にはこの最低水準ではCVデータとしては少ないと思います。
自動入札を始めても初動はかなり精度が低いです。感覚的にYahoo!スポンサードサーチでは、過去30日に300件ほどコンバージョンがあればいいと思います。
また、CVデータの質も大切です。
準備期間はCVRが高いワードなど、質の高いCVデータを積極的に機械学習させましょう。
インプレッションシェアを確認
ここが冒頭に述べたYahoo!スポンサードサーチの自動入札で成果を上げるためのポイントです。
インプレッションシェアが低いとき(掲載順位の損失率が高いとき)は、CPAの収束が遅くなる傾向があります。インプレッションシェアに余地があると、その部分の成果を確かめるため、一旦は入札を高めてIMPを出そうとするようです。
これが自動入札を導入して初動が悪化する最も大きな要因だと考えています。
インプレッションシェアを高める必要がありますが、部分一致ワードを含めると費用対効果が合わなくなることが多いです。そこで対策としては、ターゲットを狭める方向で考えます。
具体的には以下のようなアクションが必要です。
- 獲得ワードは完全一致で登録する(スペースもそのまま)
- CPAが合わないときは、部分一致からマッチタイプの広いものを停止する
※完全一致の登録だけでは、IMPがでなくなるようなアカウントで有効
これは前編記事の冒頭で紹介したグラフに、インプレッションシェアとインプレッション数のグラフを並べたものです。
IMPシェア損失率(掲載順位)が低下し、完全一致のIMPシェアが約100%になってから、順調にCVRの改善が見られています。
インプレッションが減少しているので、クリック数も減少しているのですが、CVRの改善によりCV数は増加しています。
その後のメンテナンスについて
最後に自動入札をうまくコントロールするための日々の調整について考えました。
予算調整について
予算調整を目的に、目標CPAや目標ROASを変更しない方がいいと思います。
例えば、予算進捗が鈍いために配信を強化したい、もしくは予算進捗がオーバーペースだから配信を抑制したいという場面で目標CPAや目標ROASを変更しても即効性のある調整は期待できません。(およそ7〜14日間はCPAやROASが安定するまでに時間が必要です。)
これらの場合はまずはターゲットの見直しを行いましょう。
配信を抑制したいとき
コストを使っていて、かつCPAの高いキーワードを停止しましょう。
特に目標CPAよりも高い、もしくは全体のCPAよりも高いキーワードを停止すると良いと思います。
配信を強化したいとき
獲得できているワードのマッチタイプを広げて登録しましょう。
特に、CPAの低いワードから優先してマッチタイプを広げると良いと思います。
マッチタイプを広げた際には細かく検索語句を確認し、獲得できている語句はキーワードに登録し、
獲得に繋がらず、クリックが多い(コストを多く消費している)語句は除外しましょう。
以上の内容をまとめるとこんな感じです。
この記事を書いた人
清家将太