「Yahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)」の構成について考えてみた。
今回のブログでは、Yahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)「※以下YDA」で構成を考える上での1つの考え方についてまとめてみました。
「新しくYDAを開始したいけど、何から始めればいいのか分からない」「YDAが何故か上手くCVにつながっていない」という悩みがある方は、ぜひ参考にしてみてください。
(※このブログではキャンペーン目的が「コンバージョン」である場合を想定した話をします)
YDAの特徴
YDAとは、Yahoo! JAPANのトップページや広告の掲載枠があるWebサイトに画像や動画付きで表示できる広告です。
広告出稿の目的(コンバージョン、動画再生、サイト誘導など)に合わせて効果を最大化する配信が可能です。
構成を考えるうえで懸念すべきポイントの1つとなるのが「オークションのロジック」です。
YDAでは、「広告グループ内」「キャンペーン内」ではCVRの高い広告が選択されやすく、「アカウント内」「オークション」でCTRの高い広告が選択されやすくなっています。
そのため不用意にキャンペーンを分けてしまうと、それだけでCVRの低下を招いてしまいます。
そのため大前提として、「構成を分けないこと」が重要となるのです。
YDAの特徴について、詳細は以下の記事をご参照ください。
https://shift-web.myshopify.com/blogs/blog/3342/
構成を分けるポイント
構成を考えていく上で、アカウント、キャンペーン、広告グループに細分化してまとめていきます。
アカウント
CVアクションが異なる場合に構成を分ける
YDAでは、コンバージョンを最大化するように挙動します。
しかしGoogle 広告や、Facebook広告とは異なり、どのキャンペーン、広告グループ、でどのCVアクションを最適化するか選択することができません。
そのため、配信している内容に応じて獲得したいポイントが分かれている場合はアカウントを分けることがオススメです。
キャンペーン
1日の予算を分ける必要がある場合に構成を分ける
YDAでは、前述したように「広告グループ内」「キャンペーン内」であれば、CVRの高い広告が配信されやすくなっています。
しかし、キャンペーンを分けてアカウント配下の単位となると、CTRで広告が選択されてしまいます。
そうなると、結局CTRが高い広告が優先されるようになってしますので、可能な限りキャンペーンを統一するほうがよいです。
そのためキャンペーンでは、「特定の広告グループでコストが多く、成果のよい広告グループで損失が出てしまっている」「予算がそもそも違う」など、1日の予算を分けなければコントロールできない場合に分けることがオススメです。
※「特定の広告グループでコストが多く、成果のよい広告グループで損失が出てしまっている」については、入札の変更により対応できる程度であれば分ける必要はありません
広告グループ
広告グループは、入札戦略によって構成を分けるポイントが異なるため、特徴と分けるポイントをそれぞれ記載します。
自動入札:自動入札の情報に応じて構成を分ける
自動入札を設定すると、インターネットユーザーおよび広告配信に関する以下の情報を読み込んでコンバージョン率を予測し、入札価格を最適化します。
※直近30日に配下の広告グループ単位で40件以上のCVが発生しているキャンペーンでの実装が推奨されています
インターネットユーザーに関する情報
- プレイスメント情報
- 年齢
- 性別
- デバイス
- 興味・関心のあるカテゴリー
- アクセス時間(週・時間帯)
- 地域
- サイトへの訪問履歴
- 過去の検索キーワード
- 広告配信実績
広告配信に関する情報
- 広告タイプ
- 広告配信実績
参考:Yahoo!広告ヘルプ「自動入札とは:入札価格の最適化について」
オークションのたびに上記の情報を加味し、入札価格を設定するため広告グループを分けず、「オーディエンスカテゴリーターゲティング」「サーチキーワードターゲティング」「サイトリターゲティング」など、大きい分類での構成をオススメします。
ただ現状は「サイト訪問の階層」が加味できないため、サイトリターゲティングを階層別に配信したい場合は構成を分けることが必要です。
手動入札:入札価格によって構成を分ける
手動入札では、入札価格調整率で設定できない項目に応じて広告グループを分けることをオススメします。
入札価格調整率を設定できる
- デバイス
- 性別
- 年齢
- オーディエンスカテゴリー
- サイトカテゴリー
- 曜日・時間帯
- 地域
入札価格調整率を設定できない(≒入札価格を変更する場合は広告グループを分ける必要がある)
- サーチキーワード
- サイトリターゲティング
- プレイスメント
- 広告
入札単価調整率が設定できる項目については、特段構成を分ける必要はありません。
手動入札では「サーチキーワード」や「リターゲティング」「プレイスメント」など、自動入札では考慮されていた情報が最適化されません。
そのため、入札価格を分けたい情報に応じて、広告グループを分ける必要があるのです。
手動入札での広告グループの分け方<実践編>
①サーチキーワードの内容に応じて広告グループを分ける
登録するサーチキーワードによってCTR・CVRが異なるため、サーチキーワードの内容に合わせて広告グループを作成し入札価格を設定しましょう。
②訪問日数に応じてサイトリターゲティングで広告グループを分ける
サイトへの訪問日数によってCTR・CVRが異なるため、訪問日数を分けた広告グループを作成し入札価格を設定しましょう。
③プレイスメントに応じて広告グループを分ける
プレイスメントによってCTR・CVRが異なるため、プレイスメントを分けた広告グループを作成し入札価格を設定しましょう。
個人的には「Yahoo!面」「Yahoo!面以外」での登録が推奨です。
④広告に応じて広告グループを分ける
旧来のYahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)では、広告別に入札価格を設定できました。
しかし、YDAでは広告別の入札価格設定ができなくなっています。
そのため、ブランドパネルやプライムディスプレイとレスポンシブ(静止画)など、CTR・CVRが異なる広告タイプで広告グループを分けて設定してみましょう。
レスポンシブ(静止画)でも、1200x628サイズと300x300サイズでCTR・CVRが異なる場合があるので、成果によっては分けてみてはいかがでしょうか。
まとめ
YDAでは、オークションロジックや自動入札でのCVデータの蓄積を加味して、無理に構成を分けないほうがよいです。
アカウント、キャンペーン、広告グループでは、すべて「分けなければならない場合に構成を分ける」ことを意識しておくと、スムーズに考えられるのではないでしょうか。
今回のブログで紹介したことは構成をつくる上での考え方のひとつです。
アカウントの状況とYDAの仕様を理解して試行錯誤してみてください!
この記事を書いた人
ShuheiKama