リスティング広告で広告グループを細分化しすぎていない?機械学習されやすいアカウント構成とは
ユーザーの行動や購買行動は多様化の一途をたどっており、マーケティング担当者が全てのユーザーを把握・対応することはほぼ不可能といえます。そこで活用したい技術が、リスティング広告のプラットフォーム上に搭載された「機械学習」です。今回は、機械学習のパフォーマンスを高める上で欠かせない「アカウント構成」の基礎知識をご紹介します。
リスティング広告のアカウント構造について
機械学習の活用について学ぶ前に、リスティング広告の基本的なアカウント構成を押えておきましょう。リスティング広告は、アカウント1つにつき、下記の4つの要素から構成されています
①キャンペーン
②広告グループ
③キーワード
④広告
これらはいわゆる「入れ子」の構造になっています。1つのアカウントの中では複数の「①キャンペーン」を設定することができ、その中に複数の「②広告グループ」が配置されている、という具合です。「②広告グループ」の中には「③キーワード」と「④広告」が設定した数だけ配置されることになります。
基本的な運用スタイルとしては、「①キャンペーン」単位で予算や配信スケジュールを設定し、「②広告グループ」ごとにキーワードの入札単価の調整を行います。そして、「③キーワード」の設定画面で広告を表示させたい対象キーワードを設定し、「④広告」の設定画面では広告のタイトルと文言を設定します。
これらのリスティング広告を運用する中で生じる問題は、今この瞬間、幾万ものキーワードと広告タイトルをどのように組み合わせて表示すれば成果(コンバージョン)を最大化できるのか、人間では判断が追いつかない、というものです。ユーザーの行動が多様化を続ける中、人間が過去の経験から導いた勘だけでは、成果を挙げることが難しくなっているといえるでしょう。
そこで活用したい仕組みが「自動入札」というわけです。
リスティング広告の機械学習の仕組みとは
Googleのリスティング広告に搭載された自動入札の仕組みは、ユーザー一人ひとりのリアルタイムな行動データを機械学習することで、「今この瞬間、どのような情報を欲しているか」を判断し、広告表示機会の度に入札金額を最適化するものです。これはGoogle側の判断によって、予め入稿した広告パターンの中から検索した人にとってベストなものを出し分ける仕組み、と言い換えることができます。そのため、設定した広告の訴求が1パターンしかなかったり、広告表示オプションが1つしか設定されていなかったりする場合には効果を発揮できない点に注意しましょう。
「最初の設定が大変そうだな」と感じられる方がいらっしゃるかもしれませんが、自動入札には、その設定に要した手間を上回るメリットが存在します。それは、機械学習を重ねれば重ねるほど、そこからパターンや法則を見つけ出し、より高い成果を見出してくれる、ということです。
例えば、機械学習がインプットする情報として、ユーザーが検索の際に入力した「キーワード」の他に、検索に使った「デバイス」、検索を行った「地域」や「時間帯」など、多数のデータが存在します。この他にも、ユーザーの行動特性や属性情報を推測できるだけの情報を持っているため、例えば、「平日夜、就寝前の時間帯には、スマートフォンからのコンバージョンが高くなる」といった法則を見つけ出すことも可能といわれています。
時々刻々とユーザーの価値観・行動が変わりゆく中、上記のようなパターン・法則を人間が見つけ出し続けることは、極めて難しいです。だからこそ、リスティング広告のパフォーマンスを最大化するためには、自動入札のポテンシャルを引き出すような広告運用手法が必要なのです。
では、具体的にどのような点を意識して運用を行えばよいのでしょうか?その手法を実践するためには、「広告グループ」の使い方への工夫が求められます。
広告グループの細分化は時代遅れ。機械学習されやすいアカウント構成とは
かつては、1つのキャンペーンに内包された広告グループはさらに細分化され、結果として、多数の広告グループが設定される傾向にありました。このように「広告グループをキーワードの数だけ作成する」といった対応がなされた背景には、広告の運用者が「この広告グループでは、このキーワードで広告を表示させたい(逆に言えば、重きを置いていないキーワードはなるべく表示させたくない)」といった厳密なコントロールを行っていたことが関係しています。
しかし、前述のように、ユーザーの行動パターンは決して一定ではなく、短期間に変化を続けていきます。そのため、人間が厳密なコントロールをするのではなく、予め幅を持たせた設定の中から「最適なパターンを機械学習によって自動で導き出してもらう」といったスタンスの方が、成果につながりやすいといっても過言ではありません。
この前提の元、リスティング広告の設定を行うならば、次のような広告運用が望ましいといえるでしょう。
・「広告グループ」はあまり細分化しない(シンプルな構成を心がける)
・1つの「広告グループ」の中には、異なる訴求で複数の広告(3~4個ほど)を設定する
・マッチタイプが「部分一致」のキーワードを設定する
・「自動入札機能」を有効にする
このような設定を行うことで、Google側がユーザーの検索結果に応じて最適な広告を表示してくれるようになります。また、部分一致のキーワードを許容することで、コンバージョン数につながる関連キーワードでの検索時にも広告を表示できるようになります。
このように、細部まで人間が厳密な管理をするのではなく、機械学習が得意とする部分は機械学習の判断に任せることで、これまでよりも高い広告パフォーマンスを期待できるようになるのです。
常に最新の情報を取り入れ、運用方法を改善することが必須
リスティング広告を運用することが目的であれば、経験さえ積めば、ある程度誰でも実践できるかもしれません。しかし、成果を求める以上、今回ご紹介したような機械学習のように常に最新の情報を取り入れ、新しいことにチャレンジをしていく、定期的な運用改善が必要になります。
ただし、運用型広告を実施することがどの企業様も最終ゴールではないため、新しいことにチャレンジをする際、本当に成果につながるのか?リ自社の商品とターゲットにマッチする手法であるか?リスクはあるのか?など多角的な視点から、判断をしていく必要があります。リスティング広告はもちろん、運用型広告でビジネス価値の最大化を図るには、“専門的知識・経験”ד勝てるビジネスモデル”が必要となってきます。
当社Shiftでは、確かな分析・改善力を武器に、常に最新の情報を仕入れた上で運用を行うだけではなく、御社のビジネスの成功を目的に、御社のビジネスモデル、商品理解をしっかり行った上で、最適なアドバイスやご提案をさせて頂きます。「運用型広告の効果は頭打ち・・・」と感じられている企業様は、ぜひ以下ページをご覧ください。
この記事を書いた人
MasakazuIsozaki