LPOとは?実践事例やツールと活用方法のご紹介

by ShuheiKama

広告運用では、ターゲティングの見直しや、広告クリエイティブの改善など、さまざまな改善が必要です。
その中でも「LPO(ランディングページの最適化)」は特にコンバージョン率を向上させ、大きく成果を改善することも可能な施策です。

今回は、「LPOとはそもそも何なのか」「どのようなツールを利用するのか」「どういった手順で進めていくのか」をご紹介していきます。

LPOについて

LPOとは

LPOとは「Landing Page Optimization」の略語であり、ランディングページの最適化という意味です。
検索結果や広告などを経由して訪問者が最初にアクセスするページである「ランディングページを改善」することでコンバージョン率を向上させることができます。

LPOには、ファーストビューやCTAボタンの改善、コンテンツの順序入れ替えなど、さまざまな取り組みがあります。

【例①】ファーストビューの見直し

【例②】CTAボタンの見直し

コンバージョン率が向上するメリット

LPOによってコンバージョン率を向上させることができます。
コンバージョン率が向上すると、より効率的に集客を行うことが可能となり、コンバージョン単価が改善できます。

またコンバージョン率が向上すると、入札価格が上げやすくなり、従来のコンバージョン単価と同額のまま、コンバージョン数を増加させることができるのです。

LPO実装手順

LPOを行う際には以下のような手順で実装を進めています。

① 分析

まずはランディングページを分析し、課題を見つけます。
弊社では分析の際は主に「ヒートマップツール」という分析ツールを利用しています。※「ヒートマップツール」については、後述いたします

② 改善策の立案

①の結果をもとに、改善策を立案します。
改善策は1つのパターンだけではなく、複数パターンを並走させて最も効果的なパターンを検証することもあります。

③ A/Bテスト

A/Bテストツールを利用してランディングページを修正したテストパターンを作成し、実際にオリジナルのランディングページと並走テストを実施します。
新しくランディングページを作成することもありますがA/Bテスト用ツールを利用して、URLは同じで一部の要素のみ修正することも可能です。

④ 結果検証

A/Bテストで検証した結果を確認し、効果が出ているかどうかを確認します。
効果が出ている場合はオリジナルのランディングページを改善し、効果が出ていない場合は新たなテストを実施して改善を進めます。

LPOに利用するツール

LPOを行うために、弊社では主に2つのツールを利用しています。

ヒートマップツール

ランディングページの分析を行うためのツールです。
ヒートマップツールを利用すると、Webサイト内のページで、ユーザーがどこで何をしたのか色で可視化できます。

アテンション ヒートマップ(熟読度)

よく読まれている部分が赤く、あまり読まれていない部分は青く表示されます。

アテンション ヒートマップをもとに、よく見られているコンテンツを拡充したり、ページ上部に表示させていきます。
また対照的に見られていないコンテンツは削除したり、ページ下部に表示させるなどの対応を行っていきます。

クリック ヒートマップ

よくクリックされている部分が赤く、少しクリックされている部分は青く表示されます。

リンク先が設定されていないがユーザーがよくクリックしている箇所に導線を設定したり、ユーザーが離脱してしまう導線をつくってしまっていないか確認していきます。

スクロール ヒートマップ

ユーザーがページのどこまで到達したか、どこで離脱したかが分かります。

ユーザーがどこで離脱しているのか確認し、離脱している箇所のコンテンツを修正したり、ユーザーに見てもらいたい内容への到達率が低ければ順序の入れ替えを行ったりしていきます。

A/Bテストツール

ランディングページのA/Bテストを行うためのツールです。
「オリジナルのランディングページ」と「修正したテストのランディングページ」を実際に並走させ、どのランディングページが最も効果的なのか検証できます。

A/Bテストを行うことができるツールは数多くありますが、おそらく最も利用されているツールがGoogle オプティマイズかと思います。
Googleが提供するツールの1つであり、無料でA/Bテストを行うことができます。

慣れが必要な部分もあるかもしれませんが、Googleオプティマイズは直感的に操作できるため始めやすいA/Bテストツールです。

上手く活用すれば非常に便利なツールですが、2023年9月30日にGoogleオプティマイズは利用できなくなってしまいます。
今後のA/Bテストについては、どのように変わっていくか注意が必要です。

Google オプティマイズのサポート終了|Optimize ヘルプ

その他

ヒートマップツール以外の分析ツールとして「Googleアナリティクス」でよく見られているコンテンツを確認したり、「広告管理画面上」でクリック率が高い広告クリエイティブの要素を参考にしたりと、さまざまな要素をもとにLPOを行っています。

LPOを実施した事例の紹介

改善事例①:CVR 1.64倍

該当の案件では、ヒートマップツールを利用し分析したところ、ファーストビュー直後の離脱率が高いことが分かりました。
ファーストビューの離脱率を改善するために、コンバージョン率が高い広告クリエイティブの要素を反映させたところ大きく改善でき、コンバージョン率が1.64倍になりました。

特にPCでの効果が顕著で、デバイス別に実績を見ると、スマートフォンではコンバージョン率が1.38倍、PCではコンバージョン率が2.59倍となっています。

改善事例②:CVR 1.27倍

アテンションヒートマップにより「よく読まれているコンテンツ」と「あまり読まれていないコンテンツ」が分かりました。

よく読まれているコンテンツはページ上部に変更し、あまり読まれていないコンテンツは要素を絞って短く修正しました。
それにより、ランディングページの読了率が上昇しコンバージョン率が1.27倍となっています。

改善事例③:CVR 1.41倍

クリック率は非常に高い広告クリエイティブがあったのですが、サイト内に該当の要素が含まれていないため、広告クリエイティブとランディングページの関連性が低く、コンバージョン率が低くなってしまっていました。

そのためサイト内にクリック率が高い広告クリエイティブの要素を反映させたところ、コンバージョン率が上昇し1.41倍となりました。

さいごに

LPOによりコンバージョン率が改善すれば、コンバージョン単価が良くなるだけでなく施策の幅も広げやすくなります。

広告管理画面上の成果が頭打ちになっているのであれば、是非LPOの実施を検討してみてください!


この記事を書いた人

ShuheiKama

徳島県出身。 愛媛県に徳島ラーメンのお店がないことが不満。