実は間違っていた!?正しい予算調整の考え方

by 清家将太
Category_advertise, 媒体:google-広告, 媒体:yahoo広告

春に新入社員が入社してはや4ヶ月。
広告運用を担当し始めた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は基本的な予算調整の考え方についてまとめました。

予算調整とは

改めて予算調整を定義すると、私は以下のように考えています。
・想定通りに配信が進まない場合に、配信ペースを調整すること。
・成果の良し悪しによって媒体・キャンペーン間で予算の再配分を行うこと。

広告費が十分に投下できない、もしくは広告費を投下しすぎた、といった場合に日予算金額の設定変更のみで調整を行うケースが多いのではないかと感じています。

日予算設定を変更すること自体は間違いではないのですが、運用者の方でも意外と知らない正しい日予算の概念を理解し、さらにターゲットの最適化を行わなければ、予算調整によって達成したい目的が達成できないことがあります。
成果を見据えた上での調整こそ、本来の予算調整であると考えています。

正しい日予算の概念

運用者が扱う機会が多いであろうGoogle広告を例に考えます。ヘルプページによると以下のように記載されています。
  • 1 日の予算は、1 か月を通して 1 日ごとに費やす平均金額です。
  • 設定した 1 日の予算に 1 か月の平均日数を掛けた、1 か月の請求額の上限を超える支払いは行われません。
  • 広告のトラフィックが増える可能性が高い日には、費用が 1 日の平均予算の 2 倍に達する場合があります。こうした日に発生した費用は、費用が 1 日の予算に満たない日との兼ね合いで調整されます。
  • 予算を編集したタイミングに応じて、キャンペーン予算の使われ方が変わります。
https://support.google.com/google-ads/answer/6385083?hl=ja
2019年7月31日現在、一部抜粋

予算の変更が反映される仕組み

予算を変更するタイミングによって、キャンペーンあたりの1ヶ月予算の使われ方(金額)が変わります。
特にこの仕組みは、知識としてあまり浸透していないように感じましたので、以下にまとめました。

1日の途中

通常、キャンペーンでは予算の 50% 程度がその日の午前中に、残りが午後に使用されます。
ただし、広告の需要が一日の前半に最も高い場合は、午前中により多くの費用が発生する可能性があります。
キャンペーンの 1 日の合計費用となる予算額を変更する際、正午頃に 1 日の予算を変更すると、午前中に使った予算に加えて、変更後の予算の 50% が午後に使用され、結果として合計がその日に適用された 1 日の予算のどちらよりも多い額になる可能性があります。
1 日の予算を大幅に下げると、その日の残りの広告配信のペースが大きく下がることがあります。

1日に2回以上

その日に設定した中で、最も高い予算に応じて請求が行われます。

月の途中

予算を変更した後、その月が終わるまでは、新しい 1 日の平均予算にその月の残りの日数をかけた金額を上限として広告が掲載されます。
たとえば、1 日の予算が 500 円で、11 月 24 日までに 11,300 円の費用が発生していたとします。11 月 24 日に 1 日の予算を 1,000 円に変更した場合、11 月の請求額の上限は次のようになります。
これまでに使用した 11,300 円 +(1,000 円 / 日×残り日数 7 日)= 18,300 円

月に2回以上

月の途中で予算を変更した場合と同じ計算が適用されます。

https://support.google.com/google-ads/answer/6385083?hl=ja
2019年7月31日現在、一部抜粋

具体的な予算調整例について

例1.配信を抑制したいとき

想定以上に配信が進み、予算に対して投下できた広告費が多い場合、日予算の金額を下げるだけでは不十分です。
そのままの配信ターゲットでは、おそらく予算制限が発生してしまいます。
広告費を投下しても成果につながらない箇所を抑制、または配信を停止しましょう。

予算制限が発生しているキャンペーンがある場合も同様です。
キャンペーンに割り当てられる予算に対して、現在の配信ターゲットは広すぎる場合が多いです。
ターゲットを狭めるために、成果につながらない箇所を抑制するか、配信を停止しましょう。

例2.配信を強化したいとき

想定通りに配信が進まず、予算に対して投下できた広告費が少ない場合、単純に日予算金額を増額し、配信を強化することは危険です。
1ヶ月の予算が本来よりも多く計算されてしまい、意図しない金額まで広告費を投下してしまう可能性があります。

まずは効率的に広告費が投下できている配信ターゲットから優先して配信を強化しましょう。
その上で予算制限が発生するようになれば、その段階で日予算を増額し、その他キャンペーンや媒体との予算配分変更も合わせて検討しましょう。

この記事を書いた人

清家将太

- 運用事業部マネージャー - 愛媛に拠点を置くShiftでマーケティングを通して「地方から最新技術の活用で成果を伸ばす」ために奮闘中。 自動入札の活用で改善案件多数、アカウント改善のスペシャリスト。TwitterでもSEM関連を中心に情報発信中。twitter.com/Shift_seike